TOP > 展覧会情報 > 第54回日本現代工芸展 授賞作品・授賞理由 > 現代工芸理事長賞 織田 定男
この作品は、水平線の向こうに浮かぶ蜃気楼の建物や船が縦横に伸びた様を具象化したものである。作者にとってこの風景は、記憶に残る風景の一つ、あるいは想像の風景であり、心象の景色であるという。素材は、彫刻に適した桂材を彫刻して素地を造形し黒漆塗りと上面の部分を朱のぼかし塗りをして全体に鏡面(ロイロ)に仕上げた後、金箔で造形美を引き立たせて完成させた。繊細な表現の中にも漆工の確かな技と力強い造形力を感じさせる優れた作品である。