TOP > 展覧会情報 > 第48回日本現代工芸展 授賞作品・授賞理由
青磁による盤状の鉢は、粉青特有の焼成効果を生み出させている。即ち、鉢の底部に紬薬の結晶が顕在化し、それが恰も海に映る月といった抒情性を醸し出している。円熟した技術の冴えが見られる。
漆の蝋色仕上げの大部分に金箔が押され、その上に象形化された信州の大自然が桂材により浮彫りされた詩情豊かな作品。特に、木工彫刻の熟練された技術は目を見張るものがある。
横段に並列された単純なパターンが、何となく悠然とした時間の流れを刻しているように見える。特に、画面の真中に帯状に配置された青色のあわびの螺鈿は、実に鮮やかな漆ならではの表現効果をもたらしている。
縦長の画面に大小の箱が秩序よくレイアウトされている。一つーつの箱の中にはどのような夢が閉じ込められているのであろうか。平面的な七宝表現の中に洗練された技術効果が見られる労作である。