第52回日本現代工芸展授賞作品・授賞理由 - 展覧会情報

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天地をイメージしたオブジェは、見事に蝋色（ろいろ）仕上げされ、その表面を加飾する蒔絵技法によるアンモナイトが絶妙の位置にレイアウトされている。まさに、生命のあるも　のの蘇生を暗示させる得心の作。

冬枯れの汀の情景を鍛金技法で幽玄に創出させた作品で、特に樹々の交錯する様相を線的構成により巧みに表出させた快心の作です。

赫々とした秋の紅葉と燃えたぎる感動の熱情を重複させた情念の作。マクラメ結びを主体とした繊維素材によるダイナミズムの創出は圧巻である。

東北大震災に伴う原発被害でやむなく仕事場を奪われた作者は、茜色に染まる周辺の葦に群がる雀のお宿の心境を重ね合わせ、それを本体に彩土による面象眼で見事に創出させた熟練の作。

木片象眼技法による緻密な表現は、無限に広がる宇宙の壮大さを端的に捉えている。地味な仕事の中に積年の努力が結実された労作。

彩色土器の今日的表現といえようか。化粧土による彩色を施した建造物的な骨格のなかに、土素材のもつ材質の硬さともろさの融合を試みた実験作。