TOP > 展覧会情報 > 第49回日本現代工芸展 授賞作品・授賞理由
王妃の肖像をイメージした連作のーつで、上部ハート形に開口されたトルソーは、円熟された彫鍛金の技法を駆使した見事な造形である。ボディの表面に残された槌跡は銀蝋流しの表面処理により威厳に満ちた姿形を表出させている。
和歌山県出身のべテラン織物作家で、この作品は紀伊半島南端の岩礁に砕ける波涛をイメージしたもの。極度に単純象徴化された形態と色彩は、綴織技法をべースに多岐にわたる技術を駆使し、織物ならではの見事な表現効果を創出さている。
環境間題が問われる今日、地球上の万物の生命そのものが脅かされようとしている。自然と共生しながら力強く生きる姿を、高度な鋳造技法による単純化された二つのフオルムの組合せにより、見事に造形化した意欲作である。
放射線状に配列された七宝の色板が奏でる不思議な和音、廻り廻りながら時空間を越え私達に訴える。その大胆な構成は楕円中央にひしめき合う真鍮片が求心カを持ち、作品全体に緊迫感を与える快心作。